質問
福島県鏡石町の町職員が「人事ロト」と称して町役場の人事異動を予想して現金を賭けていたというニュースがありました。賭け金が少額なうえ、結果として配当されることがなかったとしても、賭博罪に問われますか。
回答
まず「賭博とは、『偶然の勝負ごとに金銭等を賭けること』をいいます。
人事異動自体はサイコロを振って決めているわけではないでしょうから、偶然に委ねている事柄とは言えません。ただ、その人事異動の決定権の外にいる人たちにとっては、人事異動の結果はまさに確実に予見できない『偶然の勝負ごと』になりますので、賭博罪が成立します。また、実際に配当される前に発覚しても賭博罪は成立します。「賭博罪は『挙動犯』といい、実行に着手した時点で既遂となるからです。
ただ、実際に賭博罪として刑事処罰を受けるかと聞かれれば何とも言えません。犯罪が成立する場合でも諸事情を考慮して不起訴となることは賭博罪に限らずあり得るからです。
不起訴となるかどうかは個別のケースごとに判断されますが、もともと単純賭博罪自体は、刑法犯の中でも比較的軽い罪であるため(50万円以下の罰金又は科料)、不起訴とされるケースが多いかもしれません。
また、本件の場合は、賭け金も少額でしょうし、すでに懲戒処分などの社会的制裁を受けていたり、これまでに前科がないなどの諸事情を考慮して不起訴処分がほとんどではないかと考えます。
詳しい回答内容は取材協力した弁護士ドットコムニュースに掲載されていますのでそちらをご覧ください。
弁護士 清水 俊
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